川辺優紀子のKIPONでスナップ〜草津編2

皆さんこんにちは。
写真家モデルの川辺優紀子です。
この連載はKIPONのレンズIBERITを用いて様々なスポットを撮り歩くレンズブログです。 

今回撮り歩いている場所は、私の出身である群馬県にある名湯「草津温泉」

群馬は関東平野の一部と山間部からなる県であり、その地形を生かして様々な農作物などの名物や観光地があります。

一言で表すと、“自然豊かで暮らしやすい場所“だと私は思っています。

私の実家は平野にあるので、東京方面を眺めると分かりやすく空が開けており、それ以外の方角は全て山に覆われているような場所です。

田んぼもたくさん。
お米と小麦の二毛作で、それらの育ち具合で季節を感じる日々でした。

実家暮らしをしていた学生の頃までは、そんな地元の景色について何も感じませんでしたし、ましてやその風景を写真に撮ろうなんて全く思いもしませんでした。

しかしその場から離れてみると、ようやく特徴や魅力に気づけるものです。

実家に帰るたびに撮りたい物がそこら中に転がっています。
遠くに出かけなくとも家の庭にだって被写体は現れるくらいです。

日常の風景だってその日、その時しか存在しないもの。
過ぎ去ってしまう景色を写真に収めて残しておこうと日々思うのです。

1枚1枚大切に。
手の中でリングを回すのはKIPONのIBERIT.
『思い出』と言い表したい作品にも力を貸してくれるレンズだと感じています。
撮り手の心情を受け取って形にしてくれる。
大切な瞬間だからこそIBERITを選びます。

さて、群馬の平地ではなく山々にも撮りたい魅力はたくさん。
もちろん雪も降りますのでスキー場だってあります。
活火山が存在するので温泉も大きく発展してきた訳ですが、今回このレンズブログでは国内屈指の温泉地「草津」で撮ってきたものを紹介して行きます。

 

 

草津で撮りたい「光泉寺」

前回は湧き出る温泉が流れている湯畑をご紹介しましたが、その周辺には他にもたくさんのスポットがあります。
手の平サイズで持ち歩きに適しているIBERITはこういった観光地にも持っていきたいレンズ。その質感を楽しみながら温泉街を歩きます。

こちらは湯畑のすぐ隣にある光泉寺。
長く高く伸びていく石段の存在感が凄まじいですが、上まで登ってみる価値は大いにあります。

光泉寺は正治二年(1200)に草津領主湯本氏が再建したと言い伝えられていて、その歴史は物凄く深いとのこと。

探検してみると阿形像・吽形像やお地蔵さんが出迎えてくれます。

 

静かでしっとりと湿度のある空間に没頭してしまいました。
フォーカスリングの程よい粘り具合が、集中力を増幅させてくれます。

水面の描写に心を持っていかれました。
柔らかでいて、芯のある水のゆらめき。そこに浮かぶ紅葉の葉がとても可愛らしい。
写真はカメラ本体もとても大切ですが、全てはレンズを通した光を画像化している訳ですのでレンズの重要性は言うまでもありません。

石の質感と背景のぼけ感を楽しむ贅沢な時間でした。

葉の隙間から降ってくる玉ボケもとても綺麗です。

石のゴツゴツとした印象に対して柔らかな表情に視線が奪われるこのシーンを活かすためにも、絞りを開放にして撮影をする事でふんわりと仕上げてみました。

IBERITは絞りの調整でガラリと絵が変わります。
絞ってみるのか、開放して撮るか。
その選択もこのレンズを使う醍醐味の一つなのです。

草津での撮影の中でも、光泉寺では特にIBERITと向き合った時間を過ごすことができました。
撮影欲を掻き立ててくれるレンズは写真生活において大変重要な存在となります。
是非皆様もお手に撮ってみてください。

(つづく)

川辺優紀子

プロフィール:川辺優紀子(かわべ ゆきこ)

大学卒業後上京し、モデル・タレントとして活動。
写真家高桑正義氏に師事し、2019年に独立。
ロケーションやスタジオライティングを用いての人物撮影に加え、日常や旅先のスナップをライフワークとしている。
現在はモデルと写真家の二本柱で、精力的に活動中。

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