川辺優紀子のKIPONでスナップ〜草津番外編24mm

こんにちは。
写真家モデルの川辺優紀子です。
この連載は、KIPONのレンズIBERITを用いて様々なスポットを撮り歩くレンズブログです。

前回まで綴っていた草津編ですが、今回なんとまた冬の時期に草津に足を運ぶ事が出来ました。
長距離バスを使えば都内からでも乗り換え無しで現地まで行けてしまうほど、思っているよりも遥かにアクセスの良い日本有数の温泉地「草津」。

せっかく行くのであれば是非IBERITで撮りたい。
そう思いキャリーケースにカメラとレンズを忍ばせて冬の草津へと向かいました。

今回はあえて24mmのレンズ1本で挑むことにしました。
様々な画角で撮りたくなるところを、これ1本という制限を自らに課すことでより一層24mmについて理解が深まると思ったからです。

 

雪降る草津

そこはまさに別世界。
雪が積もるだけでこんなにも印象が変わるのかと驚きました。
さすが観光地ともあって道路の雪は除かれていましたが、建物の屋根にはこんもりとした雪が。

毎年草津では雪が降りますが、今年は特別多く降っているとのことです。
地元の方は朝5時に起きてまずは家の前の雪かきをし、家を出る30分前から車のエンジンをかけて車を温めるそうです。

 

滴る水もすぐ氷になります。
私は氷柱をほとんど見たことがなかったのでこの短い氷を見るだけでテンションが上がっていました。

この透明感がとても魅力的です。

白くて冷たい世界が群馬にもありました。
今回は番外編として、この冬の草津を少しだけ切り撮ります。

 

湯けむりと雪

草津温泉のメイン所「湯畑」
湧き上がった温泉を流して外気に触れさせ、お湯の温度を下げている湯畑からは物凄い量の湯けむりが上がっています。

その日の気温と湿度によって湯気の量が違うらしいのですが、この日は向こう側が全く見えなくなるほど濃密な湯気が立っていて幻想的な雰囲気を演出していました。

人工的な建物と、勢いありながらも柔らかい質感の湯気との対比をIBERITは抜かりなく描写してくれます。

KIPONのレンズIBERITは開放値F2.4の単焦点レンズ。
マニュアルフォーカスで写し出す上質な撮影体験は、実際に鏡胴を握った者のみが味わえる特別なものです。

このピント面から奥へと広がっていくボケ感がたまらなく好きになりました。

湯畑周辺は観光客で賑わっていますが、この日は雪が降っていたのもあり少し離れると静寂な空間がそこにはありました。

 

雪が辺りの音を吸収し、自分が踏みしめる雪のみが音を発します。

緑が青々とした季節とは全く別の場所になっていました。
雪降る中一人佇む銅像もとても絵になります。

しばらくこの雪と向き合う時間。

冷えた手でもIBETIRのフォーカスリングはいつも通り扱えました。
程よい粘り具合はどんな気温でも健在です。

 

絞り開放でほんわりと。
少し絞るとカチッとした描写が楽しめるこのレンズではシーンに合わせての調節がまた楽しいのです。

冷え冷えとした石の質感を目で感じながら撮影を続けるひと時でした。

至る所に氷柱がぶら下がる中、人々は草津を楽しみます。
猫も寒さを感じさせぬほど元気に駆け回ります。

雪国の撮影は遠く奥深くまで行かないと思っていましたが、意外にも地元群馬に存在したのでした。
季節によって全く異なる景色が広がるので、何度訪れても飽きの来ない素敵な場所です。
皆様も是非IBETIRを片手にいらしてください。

 

(終わり)

川辺優紀子

プロフィール:川辺優紀子(かわべ ゆきこ)

大学卒業後上京し、モデル・タレントとして活動。
写真家高桑正義氏に師事し、2019年に独立。
ロケーションやスタジオライティングを用いての人物撮影に加え、日常や旅先のスナップをライフワークとしている。
現在はモデルと写真家の二本柱で、精力的に活動中。

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