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川辺優紀子のKIPONでスナップ〜KIPON IBERITが私にしてくれたこと

こんにちは。
写真家モデルの川辺優紀子です。
この連載は、KIPONのレンズIBERITを用いて様々なスポットを撮り歩くレンズブログです。

早くも2021年が終わろうとしています。
あっという間の1年間。
昨年は特に外出もしない日々が続き、季節の移り変わりを感じなかった年でした。
そのせいもあってか、今年は例年よりも気温の変化や空気の移ろいに敏感に反応するようになったと思います。

それは決して大きな出来事ではありませんが、写真を撮る上では少なくとも私にとって、大きな変化だったかもしれません。

そして、その変化を具体化してくれたのがこのレンズでした。

24mm

刻々と姿を変える影や日の光。

 

24mm

物の形が作り出す雰囲気。

50mm

質感が語る歴史。

人それぞれ視点が違えば感じ方も異なる。
見ようとすれば、見えてくる。

それが面白いと思いながら撮るようになりました。
このレンズブログではKIPONのレンズIBERITを用いて、私が思うままに撮っていく連載なので特に構成も考えず行き当たりばったりで決行しているのですが、かれこれ15ヶ月ほどこのレンズと向き合ってきての結果が今の私です。

IBERITはマニュアルフォーカスの単焦点レンズ。
開放F2,4のボケ味と、絞った際の繊細な描写を噛み締めながらじっくり撮ってきた日々は、このレンズだからこそ味わえる満足感を与えてくれました。

50mm

カメラやレンズの進化が凄まじい今、脇を絞めなくても写真がブレない。
露出が合ってなくても後処理できる。
オートフォーカスで勝手に合わせてくれる。
これらが当たり前になった写真の世界は、撮影時の心構えも違うのだと思う。

実際、私がカメラを持ち始める前まではなぜ回るリング(フォーカスリングの事)がレンズに付いているのか理解不能でした。
と言うのも、AFが当たり前で自分で合わせるという概念がなかったからです。

そんな私がIBERITと出会って、“撮影する事そのものの楽しさ”をより実感するようになったのです。

50mm

マニュアルフォーカスが面倒だと思う人は少なくないと思います。
しかし、一度は試して頂きたい。
ピント面について考えることで構図を考えるようになり、奥行きを見るようになり、四隅の配置を見て、それからシャッターを押すのです。

 

50mm

柿の木を見ても何とも思わなかった私が、綺麗だなと感じながら写真を撮るようになりました。
物を撮る以外に、空間も撮るようになりました。

 

50mm

私自身の環境や心身の変化によって、見え方や感じ方は変わります。
共なって撮りたい対象もまた変化していくのが当たり前ですが、それを良い方向へと導いてくれたのがIBERIT.

24mm

私にとってKIPONのIBERITは、視点を変化させ、さらにそれを具体化してくれる。
まさに四次元ポケットから出てきた不思議な道具なのです。

(つづく)

 

 

川辺優紀子

プロフィール:川辺優紀子(かわべ ゆきこ)

大学卒業後上京し、モデル・タレントとして活動。
写真家高桑正義氏に師事し、2019年に独立。
ロケーションやスタジオライティングを用いての人物撮影に加え、日常や旅先のスナップをライフワークとしている。
現在はモデルと写真家の二本柱で、精力的に活動中。

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