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川辺優紀子のKIPONでスナップ 〜 気ままに歩く旅編2

こんにちは。

写真家モデルの川辺優紀子です。
この連載はKIPONのレンズIBERITを用いて様々なスポットを撮り歩くレンズブログです。

いつもは1スポットに焦点を当てて撮り歩いていくのですが、今回は上野をスタート地点として私の体力が続く限り、興味の赴くままに撮りすすめていくスタイルにしてみました。

24mm

天気が良くて1日を通して暑い日でしたが日焼け対策を万全に施して挑みます。

それではアメ横を出発し、次は上野公園方面へと向かいます。
視覚的にもとても賑やかだったアメ横を出ると、そこはもう別の世界でした。

24mm

青と緑。
歩き始めて5分もしないうちにこの景色が目の前に広がるのです。
近代的なビル群と反するように緑が生えわたる光景は、今と昔が混在するかのような幻想的な場所でした。

上野公園、正式名称は「上野恩賜公園」。
140年以上前から存在している上野公園はその後の再生整備計画によって今の形となり、歴史的、文化的スポットが数多くある公園になったそうです。

50mm

子供達も学びに来ていました。

地元にいた頃には、たまに東京に来るとビル群を目にして心躍っていましたが、(今でも踊るのは間違い無いですが)最近は緑と空が眺められる場所に来ると気分が落ち着いている自分がいます。
大人になったのかなと思いつつ、やはり生物の根源は自然にあるのだとも感じるのです。

50mm

咲いている花を見て、その日の風や空気を感じて。

50mm

脳は刺激を与え続けないと衰えてしまうと聞きますが、忙しない世の中にいるのであれば、たまにはのんびりとその日の天気を楽しむのも良い刺激になるのではと思います。

この文章を書いておきながら、「景色ばかり眺めている時間はない!」と頭の片隅で叫んでいる自分もいて楽しくなりました。
何事もバランスが命ですね。

24mm

バランスと言えば、写真においても大切なポイントであり難しいところでもありあます。
オートフォーカスが格段に進化している今のカメラは、とにかく何か見つけたら歩きながら片手でパシャリ。というのが容易にできる時代です。

それはそれでとても魅力的ですし、誰でも簡単に、深く考えることなく写真が撮れるのは、日常生活に「写真」という要素を取り入れるのにとても良い点です。

50mm

その反面、気軽に撮れすぎて1枚1枚の写真に対して思い入れがなくなる傾向もあるのではと私は考えます。

このレンズブログで使用しているIBERITというレンズはマニュアルフォーカスですので歩きながらなど、いわゆる“ながら撮り”が難しいです。
これをマイナスと受け取るか、プラスと取るか。

もちろん人それぞれ解釈が異なりますし、撮影状況によって使用する機材の向き不向きも変わってきます。
全ての物には陰と陽の両面が存在します。

50mm

私がここであえてのマニュアルフォーカス(以降MFと表記)であるIBERITを選択する理由は、写真1枚1枚に対して価値を見出したいからです。

バランスが大切だと申しましたが、MFでシャッターを切るとなると私の場合その1枚に集中する必要があります。

ファインダーを除く間に色々な事を考えるのです。
まずは構図。何を主役にしてどの位置に配置して、1枚の写真として仕上げるのか。
そしてピント合わせ。意図して外す時以外、フォーカスはバチっと合わせたいものですね。

こうして撮れた1枚は、気持ちのこもった作品となるのです。

50mm

未だMFレンズを使用した事のない方は、是非試して見てください。
普段の撮影や写真に対する見方、考え方が変わるかもしれません。
少なくとも私はこのIBERITに良い刺激を貰っています。

さて、『気ままに歩く旅2』は偉そうに語る回になってしまいましたが、私のMFレンズに対する思いが共有できたら嬉しいです。

それでは次回もお楽しみに。

 

(つづく)

川辺優紀子

プロフィール:川辺優紀子(かわべ ゆきこ)

大学卒業後上京し、モデル・タレントとして活動。
写真家高桑正義氏に師事し、2019年に独立。
ロケーションやスタジオライティングを用いての人物撮影に加え、日常や旅先のスナップをライフワークとしている。
現在はモデルと写真家の二本柱で、精力的に活動中。

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